時々のこと

子どものサッカーについて。小学校から遂に高校までたどり着きました。その他時々のこととか。

「森のくまさん」の謎すぎる歌詞


「くまさんのいうことにゃ お嬢さんお逃げなさい」ってどういうことだ?くまさんが「お逃げなさい」というのは、誰から、もしくは何からなのか。くまが言うべきセリフじゃないだろこれ。

シュール過ぎる展開

さらに、「ところがくまさんが後からついてくる」とも言っている。くまさんがついてくることをお嬢さんは予期していなかったのだろう。ということは、お嬢さんはくまさんから逃げてきたと考えるのが素直ではないか?
そしてお嬢さんは言われた通り逃げたのにくまさんは後をついてくる。シュールだ。

お嬢さんの立場で考える

ここまでを、お嬢さんの立場で考えてみよう。
お嬢さんは、花咲く森の道という非常にメルヘンチックな場所を歩いていたのだろう。そこで突然、熊に出会う。それはそれは大きな恐怖を感じただろう。

逃げられるものなら逃げてみろ!

さらに熊はお嬢さんの恐怖をもてあそぶかのような恐ろしい言葉を吐く。
「お嬢さんお逃げなさい」
自分が原因でお嬢さんは恐怖感を抱いているのに、「お逃げなさい」とは。

軽やかな逃避

お嬢さんは完全に恐怖に駆られ、「すたこらさっさ」と逃げる。この「すたこらさっさ」というのは、音的には楽しげであるが、慌てて逃げる時に通常用いられる。やはりお嬢さんはかなり動揺していると考えたほうが良い。しかしまあ、それにしては「すたこらさっさ」は少し軽やかではある。

呑気な追跡者

恐怖と共に逃げたのに、熊は自分の後をついてきた。それも「とことこ」とのんきな足取りで。必死に逃げても余裕で追いかけてくる熊。お嬢さんの恐怖はいまや頂点に達したのではないか。お嬢さんは熊の気配を感じつつも、それでも必死で逃げるしかない。

歌詞全体を見てみる

このような状況を踏まえつつ、歌詞全体を見てどう解釈するか。
次のような解釈が可能ではないか。

くまの自覚

くまさんは自分が恐れられる存在であると知っている心やさしい人物なのだ。 だから、道で突然遭ったお嬢さんが自分に対し恐怖心を抱いているだろうことも推測できてしまう。それ故に、努めて明るく「お逃げなさい」というのだ。しかしこのお嬢さんが慌てすぎてイヤリングを落としてしまう。くまさんは心やさしいだけに落とし物はちゃんと持ち主に返したいと思ってしまう。だから、恐怖感を与えることを承知でお嬢さんを追いかけてしまう。お嬢さんは振りかえりもせずひたすら逃げる。遂にくまさんはお嬢さんを呼びとめるため声をかける。

優しさに気づくくまさん

ここで初めてお嬢さんはくまさんのやさしさに気づく。やさしさに気づいたからこそお礼に1曲歌うのである。
…と、ここまで書いてみたがいま一つピンと来ない。理由は分かっている。
「お嬢さんお逃げなさい」の歌詞が自分の中でやはりうまく咀嚼できていない感じがするからである。「お逃げなさい」って…くまさん達観しすぎだろ!