日本語と少年サッカー

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はたらく言葉たちの炎上商法


何もかもがズレている。というか、これはどう見てもコンサル会社が阪急電鉄を利用した炎上商法。阪急電鉄側が謝罪して、コンサル会社が書籍売上アップで印税入ってニンマリするところまでが1セット。

記事のリンク

阪急電鉄「働き方啓蒙」中づり広告「月50万円」に「不愉快だ」など批判、掲示とりやめ

https://mainichi.jp/articles/20190610/k00/00m/040/238000c.amp

毎日新聞 2019年6月10日

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#ハタコトレイン

まあ、反響すごいので、多くの人に関心は持ってもらえた広告にはなっている。阪急電鉄としてはこれは評価すべき。

あおる阪急電鉄

いやいやいや、明治から数えてってどういうこと?なぜ明治基準?あれか、江戸っ子は宵越しの金は持たない、なのに生活できていた。そういう視点はなぜ敢えて外したのだろうか。

記事に書かれた炎上ポイント

これは記事を見ていただくのが良いです。

記事に書かれていない炎上ポイント

これが、問題というか、チクチク刺さる。製作者が意図して仕掛けているのではと疑う。

研究者80代

もうこの6文字だけで「上から目線」と言われても仕方ないですね。高度成長期、バブルを脂が乗り切った現役時代に過ごしているのだから。そんな人に、

毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。

なんて言われたくないな。この人にとっては毎月30万円は、かなり慎ましい金額なのでしょう。しかし、非正規雇用者の問題が言われるこの時代に何を言っているのかと。しかも、「仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活」をしてこの金額をもらうなんて…と、これは、直感的に理解できるイラつきポイント。しかし、この吊り広告には、パッと見では分からないイラつきポイントがある。

"元"研究者ではない!

この発言者の肩書き、元研究者になっていない。現役の研究者か…80代で。現役…つまり、今も月収があるということ。60代も70代も今も最低でも毎月30万円の収入。60歳から79歳まで毎月30万円として、単純計算で7200万円。普通に年功序列制給与に従って60歳まで働いた後の話であるし。これを朝の通勤ラッシュに否応なく見せられたら、そりゃ怒るでしょ。

…と、真実はともかく、吊り広告上はこう読めてしまう。

シチュエーション

これ、電車の中吊り広告で、しかも車両全体を1つの広告主の広告で埋めるトレインジャックの手法でやっちゃったから、余計に酷い。これから通勤に向かう人に、否応なく見せていたのだから。

阪急電鉄の中の人

仕事が楽しくて給与も30万円はあるからこういうこと言えてるんだぁ…というのが透けて見えるので、騒がれているのだと思う。このような広告1枚でも反応する人は反応するのに、トレインジャックだからね。高いところから、阪急電鉄社員も一緒に眺めているのをどうしても感じてしまう。

製作者側の感覚(阪急電鉄側)

阪急電鉄の利用者は、年齢が高めで、所得の平均も保有資産の平均も高めなので、そういう層に共感を呼ぶような吊り広告にしよう。そんな感じで、製作したのでしょう…表向きは。

炎上商法大成功!(コンサル会社側)

これ、阪急電鉄とコンサル会社の共同企画ということだが、コンサル会社が阪急電鉄を使った炎上商法と考えたらどうだろう。ネットで拡散され大手新聞に取り上げられる実績を上げている。これでこのコンサル会社は有名になった。で、このコンサル会社の顧客はどういう層かを考えてみれば分かる。コンサル会社にお金を払ってコンサルを受けるのは、ネットで批判的な層ではなく、どちらかというと吊り広告に書かれているようなことに同意できる層である。結局のところ、阪急電鉄側は謝罪に必死だが、コラボ先のコンサル会社は、名を上げることができてニンマリしていることでしょう。

二段構えというかこれが本命!

そして、キャッチコピーは、コンサル会社が出版した「はたらく言葉たち」(既刊9巻)の中から選んだというのがね。阪急電鉄を利用する層にはこれくらいが良いとマーケティングしていますとか何とか言って阪急電鉄担当者と経営層をはめたなこれは。実際のところこのコンサル会社は、自社が出版した「はたらく言葉たち」を売るためのマーケティングにこの吊り広告を利用することが本命の狙いだったはず。そうなら炎上しても阪急電鉄が謝罪しても全然平気なはず。本の内容を支持する人は、ネットで批判する人たちとは別なところにちゃんといるのだから、マーケティング大成功でしょ。これは故意犯臭がプンプンする。

アマゾン売上

アマゾンで売ってますね、この本。第1巻の売上ランキングは、本のジャンルで2897位。ランキング高いですね。炎上商法大成功ではないですか!カスタマーレビューは、2名の方がレビューされている。星1しかないけれどレビュー日が6月11日なので、これは炎上してから買ったのだろうし…あ、「Amazonで購入」のタグがない。買ってないやこの2人。あと第4巻で1人レビューしていて、この人は星4つつけていて、2015年にレビューしているけれど、この人は他のレビューが1つだけで、この本と同じ日にレビューしているから、サクラレビューの印象はなくもない。まあ、でもこのコンサル会社は、知名度を上げることと本を売ることには大成功だ。

阪急電鉄とコンサル会社の今後

阪急電鉄はコンサル会社の意図を理解できているのだろうか。株主総会はもう終わったのだろうか?これ、絶好のツッコミどころだけれど、しかも社内が自ら炎上に突っ込んでいくスタイルだから目も当てられない。実際はコンサル会社にはこのような炎上の悪意はなかったかもしれない。しかし、少なくともこのコラボ企画で、コンサル会社は自らの書籍の売上げアップを狙ったのは事実であろう。その意味でコラボ企画というのが良く分からない。どちらが持ち込んだ企画なのだろう。本来、本を売るための広告宣伝費を、コラボという名目で減額もしくは払わずにこのコンサル会社はトレインジャックできたのか。さらには、考えられないが、阪急電鉄からコンサル料を取って、自社の書籍の宣伝をしたのか。そうであれば、このコンサル会社、よほど優秀で、書籍のみでなく、コンサル会社としての宣伝効果抜群ではないか、この炎上商法。阪急電鉄としては、この辺りを明らかにして、コンサル会社に損害賠償を請求するくらいですかね、できることは。