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簡にして要 : 国のサイバー攻撃防止機能 未使用で廃止


いや、これまずいでしょう。国のサイバー意識が…というか、もはや税金を使ったギャグである。

記事

これ、見出しを見ただけでマズいことが起きていることが分かる。

経緯の単純化

起きた事象を単純化して以下に列挙する。

【起】国は各省庁の情報システムを集約したネットワークの中に「セキュアゾーン」と呼ばれる、より安全性の高い機能を設けた

【承】およそ18億円かけて開発され、外部からのサイバー攻撃などを防ぐとされていました

【転】平成29年度の運用開始から2年間一度も使われていなかった

【結】インターネットから遮断されているため、データを入力する際に手間がかかるなど使い勝手が悪かったということ

なんかよくできた起承転結のオチ。

野暮ながらオチの解説

上記の【結】がなぜオチになるのかについて、サイバー攻撃防止の観点から説明する。

【起】は、情報漏えい事件をきっかけに機能を設けたということで、話題の提供の機能を満たす。

【承】は、機能の開発費用や、目的の説明で、起を受けたものとなっており、承らしい文である。

【転】は、せっかく作った機能が2年間一度も使われていなかったと意外な点を突いてくる。これは転らしい転である。

【結】は、転において、使われなかった理由を、インターネットから遮断されているため、データを入力する際に手間がかかるなど使い勝手が悪かったからと言っている。これがなぜオチなのか。情報漏洩を含めたサイバー攻撃防止のために使い勝手を犠牲にするか、使い勝手のためにサイバー攻撃防止を犠牲にするかの二択において、国の各省庁の全てが例外なく使い勝手を取ったということ。

オチの衝撃度

サイバーセキュリティ経営ガイドラインを定める経産省や、金融分野におけるサイバーセキュリティ対策について各種発信をしている金融庁が、自分のところのサイバー攻撃防止機能を、使い勝手が悪かったという理由で、一切使わなかったと、この記事からは読める。まず隗より始めてほしいものである。

さらなるオチ

これが自分と関係のない私企業であれば、笑っていられるが、自分の属する国のことだと思うとゾッとする。税金を18億円もかけているのに。オチにはさらに続きがあって、

維持費もかかるためことし3月にすでに廃止された

とのことである。
つまり、情報漏えい事件をきっかけに設けられた安全性の高い機能を、維持費もかかるため廃止したと。いやいやいや、サイバー意識の啓蒙が大切なのではないのか。安全性より使い勝手をとって良いと国が自らの行動で示してしまっている。これで良いのか。
まあ、使い勝手が悪いというのは本当なのでしょうし、うちが作ればもっと上手く作れたと言う省庁もあったでしょう。しかし、一度も使われなかったと言うのは、税の無駄遣いとともに、国のセキュリティ大丈夫なのか、少なくともセキュリティ意識は低いのではないのかと思わざるを得ない記事である。