大阪府の女性教諭が、損害賠償の訴訟を起こしたのに対し、大阪府知事は、「神戸の事案とは実態が違う」と言ったらしい。いやいやいや、同じイジメなんてものがそもそもないので、当然のことを言っているだけの話で、何かこの発言で大阪府の方が罪が軽いみたいに語っているけれど、それはこれから明らかになること。だってこっちは工場と違って、既に訴訟を起こされているのだから。その意味でこっちの方がヒドいという印象持たれても仕方ないくらい。
記事
ポイントは処分の内容
この「神戸の事案とは違う」男性教諭には、懲戒には至らない訓戒の処分としたということ。その上で知事は、次のように指摘したということ。
神戸のような陰湿ないじめがあれば厳格に対応していくが、そうではない職場のトラブルもある
なるほど。大阪のイジメは、陰湿でないから厳格に対応しないと言っている。これは、厳格に対応する必要がないトラブルであってイジメではないと言っている。
他の記事
では、別の記事を見てみる。
イジメの内容
こちらの記事には、女性教諭が訴えるイジメの内容が書かれている。
女性教諭に対して、
- 怒鳴りつける
- 罵倒する
他の教諭に対して、
- 扇風機を破壊する
- 罵倒する
- 連絡事項を伝えない
- 机を蹴る
生徒に対する体罰、
- 自閉症の生徒の頭を強くたたく
- 扉や壁を殴る
なるほど、確かに違う。
神戸の方は精神攻撃と肉体・物両面への物理的攻撃であったし、基本的にターゲットを決めていた。一方の大阪はどうか。こちらも精神攻撃と肉体・物両面への物理的攻撃はあるという点では同じ。違うのは、不特定の教員や生徒に対しても攻撃していること。いや、あの、記事の図なんですが、「女性教諭に対して」「他の教諭に対して」と、なっている。要は大阪のケースは、全方位的にイジメを行っていたということ。府知事がどう考えたいるのか分からないが、特定の人物でなくて不特定に暴れているのはイジメではないと言いたいのかもしれない。いや、そんなのが教諭というのは神戸より駄目だろ。なお、記事のグラフにおいて、生徒については、「生徒に対する体罰」ってなっていることに注意が必要。明確に体罰と書いている。体罰…あかんやつやん。
事実確定ではない
確かに記事中の表の内容は、女性教諭が訴える内容であり、裁判で確定したものではない。まあ、だから推定無罪とか考えているのかもしれないけれど、これ民事なんだよね。この時代、密室の犯罪でなくて、イジメの加害者被害者以外がいるオープンな場で何かしでかしたら、抑えられないけどねぇ。
大阪府知事の方針
まあ、
府教育庁に対し週明けにも記者会見を開いて、詳細な事実関係を説明するよう要請した。
というところが知事の狡猾なところで、一旦時間を稼いで、周りの情勢を見ようということだろうね。つまり沈静化狙い。これで落ち着けば週明けの説明はさらっとで良いし、燃えさかってしまえば、教育庁の報告が正しくなかった、府知事の責任で厳格に処罰すると言えば良いだろうし。まあそんなとこだろう。
6日前の余計な発言
この大阪の件の発言の6日前に、知事は神戸の案件に対し、即刻懲戒免職してと言っちゃっている。これが府知事の発言を難しくしている。まあ、政治家としては自身の発言に責任を負うべきなので、神戸とどう違うかを明らかにした上で、神戸は即刻懲戒免職、大阪は訓戒が妥当とした一貫性のある理由を自らの口で述べるべきですね。ハードル高そうだけど。
究極の選択
ま、子を持つ親として究極の選択をしろというなら、神戸の方が良いのではと思うよ。自閉症の生徒の頭を強くたたくような人間は、教師な訳がないので。この点は大阪府知事とは考えが違うようだけれど。
ネットの時代
まあ、訓戒であったとしたも、ネットの時代だからね。