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ふんわりした学術研究:ニホンザル 餌を得るため2匹が協力 初めて確認か


学術研究なのだけれど、何かふわふわとした書き方になっていて、あと少しという気がする記事なだが…しかも記者というより研究者側が原因のような。

ふわふわとした記事

何がふわふわしているのか

結局、「協力して餌をとることが確認されたのは初めて」なのか否か、これが分からないから、ふわふわ、モヤモヤする記事になっている。

ふわふわな記載

記者もしくは研究者側も「初めてか否か」について自信がないようで、曖昧な記載が2箇所に見られる。

タイトル

まずはタイトルからして不確定。

ニホンザル 餌を得るため2匹が協力 初めて確認か 阪大が実験

本文

研究チームのコメントとして次のように言っている。

協力して餌をとることが確認されたのは初めてではないかということです。

先行研究の調査

学術研究であるので"初めて"であることは重要である。通常、研究者は先行研究を調査し、その上で自己の研究について語るものである。このため、「初めてではないか」と言うのは、研究者として不誠実であると通常は言える。ちゃんと先行研究調べてから言えよと。

この事実が研究者の誠実さもしくは自己防衛

しかし、この記事では研究者自身が「初めてではないか」と言ってしまっている。もちろん上の非難がありあることは知っているはずである。これには理由があるのだが、それでも研究者が自分の成果をコメントする場で、初めてではないかもしれないと言うニュアンスを含むコメントをしたというのは、研究者の誠実さなのであろう。もしくは自己防衛。

「初めてではないか」とコメントした理由

研究者が「初めてではないか」とコメントした理由は、同じ文の中に書かれている次の箇所に書かれている。

ニホンザルの研究は、70年以上、各地で行われてきましたが

70年以上、各地で…埋もれた研究が山ほどある研究分野なのだろう。特許などの利権と絡む科学技術分野の論文であれば、しっかり研究成果が、有無を確認し、閲覧できる形で残っているのだろうけれど、こう言ったある意味俗世と離れた分野で、文書の電子化が進む以前からあり、それが未だに最先端の研究となりうる分野については、先行研究を調べることが難しいのだろう。

どうしてこうなったのか

ニュースで配信されると、世の中は広いので、この研究分野のことをよく知っている人がいたり、調査好きなものがいたりして、粗探しというか、正確な情報を調べまくる方々が出てくる。そして、先行研究を見つけ出してきたりする。「初めてではないか」というのは、これを避けるためのコメントと言えよう。ならば、ちゃんと調べてから発表しろよとなるのだが…70年以上、各地で研究されてきたのなら、追いきれないのだろう。

NHKのニュース記事に過ぎないから

もう1つポイントなのは、これが論文ではなくニュース記事に過ぎないことである。ニュース記事なので、曖昧であっても問題ない。これが学術論文として報告されるのであれば、先行研究の記述はもう少し厳格になるはずである。