報道のトーンも呆れ顔になっているところが、この国王のやらかしぶりを表している。その意味で、最初の「配偶者」の称号剥奪の時の記事は他国の王室に敬意を払った書きぶりだったと思う。
記事
理由は「悪行」
「悪行」…非常に前時代的な表現。まあ、日本語訳した記者の好みでこの語が選ばれているのだろうが、しかし、今の日本の裁判や警察の現場で「悪行」という言葉は使わない。しかも「悪行」を働いた「高官」がどのような職の者かというと、寝室警護隊の看護師、獣医師を含む6人ということで…え?となる。日本に置き換えると江戸時代以前のイメージしかできない。逆に他の4人の肩書きを知りたくなる。
「悪行」という表現が、ブーメラン的に国王のイメージダウンになるように使われている。国王の気にさわる言行は、全て「悪行」とみなされるみたいな、そんな感じで。
「寝室警護隊の看護師」という肩書き
前「配偶者」も看護師だったと報道されていたことから、この寝室警護隊の看護師というのも、まあ、そういうことなのかなと。国王の寝室で国王の間近で警護していたと。かなり特殊な職務である。そもそも昼夜逆転の生活だったであろうから負荷の高い激務かもしれない。しかし、これもまあ、江戸時代のイメージ。
国王の権威失墜を狙う者の陰謀の可能性
記事を読むと、タイ国王は、前近代的で、かつ問題が多いように読める。しかし、うがった考え方をすると、タイ国王の権威を貶めるために、タイ王室に関係する誰かが陰謀を巡らせてこのような状況を作っていると考えることもできる。前国王が善人であり、現国王がハチャメチャが過ぎるという報道は、これまでなされてきており、今回の一連の解雇騒動が、大きな政治的動きにつながる可能性はある。
解雇という態様
「配偶者」の時は、称号剥奪とされていたが、今回の騒動は、解雇となっている。解任ではなく解雇。これも日本語訳の問題とは言えるが、政治的な色が付いていない国王の好みで集められた者たちが、国王の機嫌を損ねたので追放されたという印象を与える。王室の高官という地位が小さく見える。これも記者の意図的な表現であるかもしれない。
国王の評判
まあ、前国王が善人すぎたということかもしれないが、現国王はネット徘徊する限り評判が悪い。どうしてもこれと結びつけてしまう。