英国の自然史博物館が、甲虫に対し高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんにちなんだ名前をつけたという記事。単なる事実の羅列や記事なのだが、何かグレタさんを貶めるようなトーンを感じてしまう書き方になっている。グレタさんへの中傷、侮蔑の類に見えてしまうのだ。
記事
気になる点
見出し
この記事の見出しがすでに気になる。
目が見えず羽のない甲虫、グレタさんにちなみ命名 英自然史博物館
これ、目が見えないというのは、まだ若いグレタさんの視野狭窄を暗示し、羽根のないというのも問題を俯瞰できないこと、大きなことを達成できないことの暗示に見える。わざわざこのような甲虫を選んだ英国の自然史博物館も博物館なら、見出しでわざわざこの甲虫の特徴を書く方も書く方である。
甲虫の特徴
本文においても、目が見えないことと羽がないことは書かれているが、こちらはさらにこの虫の小ささを書いている。
このはちみつ色をした甲虫は体長1ミリに満たず、目が見えず羽はない。
「体調1ミリに満たない」という表現も、小物感を醸成する。
博物館研究者の発言
この博物館の研究者は次のように語っている。
この若き活動家の取り組みに深く感銘を受けており、環境問題に対する意識の向上への傑出した貢献をたたえたかった
しかし、この文は、誉め殺しにしか見えない。傑出した貢献をたたえるのに、"体長1ミリに満たず、目が見えず羽はない"に名前をつけることが相応しいのだろうか。
イギリスの博物館による命名であること
これが、グレタさんの母国スウェーデンの博物館等が命名したならばまだ分かる。しかしこれは英国の自然史博物館によるものである。英国は、ブリティッシュ・ジョークの国である。この博物館研究者の命名に関する一連の事象を文字通り取らず、皮肉、嫌味と取ったらどうなるか…。「1960年代にケニアの首都ナイロビで発見されたが、同館の研究者マイケル・ダービー(Michael Darby)氏が声を上げるまで、名付けられていなかったようだ」という、恐らく研究上重要でない位置付けの虫にわざわざ命名するなど、"傑出した貢献をたたえた"と思う方が無理である。
気にしすぎなのか?
あくまでこの甲虫の特徴を、客観的に書いているだけで、おそらく気にしすぎなのだろうが、しかし、上のように、短い記事に小さなジャブが何発もあると、意図がないのか気になってしまう。これが、グレタさんはの侮蔑、中傷の1つでないことを切に望む。