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いじめ教諭の給与差し止め条例に対する違和感


よくわからないが、今回の4人のために、今までなかった条例を作って、今回の4人に適用するのに、今回の条例は今後も残るというのは、良いのだろうか。後出しで、今までなかった条例で不利を被ることになるということ自体も良いのかと思えるし、何よりこの性急な条例改正の「将来」への影響は、非常に大きいのではないだろうか。

記事

問題点

一番の問題点は、この条例、教諭に「重大な非違行為があり、起訴される恐れ」があると、退職も許さず給与も差し止めるということになること。これ、何で許されるのだろうか。恣意的に運用されたらとんでもないことだと思わなかったのだろうか。要は、教諭を懲戒処分なり相応の対応をすれば良いだけのことである。それをなぜ教師の身分が宙ぶらりんの条例を定めて、実質上の罰を与えるのだろうか。対応の方法が間違っているように見える。

不明点

後付けで条例を定められるのであれば、過去に問題なかった行為が、問題を生むことになる。特に刑罰については、合法行為が後の法改正で違法になって遡求適用されたら、狙い撃ちで刑を与えることさえできてしまう。それを許さないのが事後法の禁止というものなのだけれど…これ、民事にも当てはまるはずなのだが…「重大な非違行為があり、起訴される恐れ」という状態は条例改正後も続いているから適用できるということなのだろう。

問題の教諭4人へ適用されるのか?

しかし、記事をよく読んでも「問題の4人の教諭に適用」とは明示的に書いていない。それっぽくは書いてはいるが。事実としては、改正条例が成立したということだけ。

紛らわしい記述

改正条例では「重大な非違行為があり、起訴される恐れ」がある職員も休職とし、給与を止めることができるとの文言を追加。本人の弁明の機会を保障するよう求める付帯決議も可決した。

と書かれた直後に、

市教育委員会によると、4人は30代の男性3人と40代の女性1人。

と書かれてはいるが、単に人数の内訳であり、その4人に適用するとは書いていない。何だか思わせぶりな記述である。

別の記事

こちらだと、適用されると明確に書かれている。

市は加害教諭に対し速やかに適用する。

実はこれは怖いこと

市民感情に配慮したようだが、だからこそこれは怖い。

重大な非違行為があり、起訴されるおそれがある

者に適用されるそうだが、起訴されなかったらどうするのだろう。これ、「重大な非違行為」の有無判断の客観性が難しいと思う。起訴された者と起訴される恐れのある者とでは、大きく異なる。起訴されてさえ推定無罪が働くので。まあ、今回の4人は、自ら証拠を残すという愚かな未成年みたいなことをやっているので、有無判断は容易ではあるけれど、しかし、やはり市民感情におされて、この4人の給与を差し止めるためだけに急いで、広く適用可能な条例を定めたという事実は怖い。繰り返しになるが、単に懲戒処分にすれば良いだけにしか思えないし、退職も許さず処分も下さず、給与も差し止めるというのは、違和感を覚えずにいられない。