ボクシング選手の試合前の動向が、陣営も相手選手も清々しいのに、なぜ女子プロゴルフ選手が試合前の行動で謝罪と出場自粛になっているのか。何かおかしくないか?
清々しい井上尚弥選手陣営の記事
陣営が相手を平和裏に視察し相手選手に対し「侍の雰囲気を感じましたね。覚悟を決めてきたなと」というようなコメントが出てくるというのは、本当に清々しい。相手陣営も素晴らしいことになっているし。そういう選手を選んでマッチアップしたのだろうけれど。ボクシングの試合前の報道には、選手や陣営の幼稚なチキンレースにしか見えない煽り合いもあるので、このような殴り合うスポーツでの清々しさは非常に好感が持てる。
暴言謝罪の笠りつ子選手の記事
アイドルが実はマネージャーを始めとした裏方の人に対し暴言を吐いていましたみたいな記事。
ゴルフは、紳士のスポーツと言われる。
各国のゴルフ協会が採用し、もちろん日本ゴルフ協会、日本女子プロゴルフ協会も従う「ゴルフ規則」の規則1という最初の規則が、「ゲーム、プレーヤーの行動、規則」となっており、次のように定めているくらいに紳士のスポーツなのである。
誠実に行動すること
他の人に配慮を示すこと
このようなルールのある女子プロゴルフにおいて、これまでの選手のマナーの悪さから定められたルールを守ったゴルフコース側の対応に頭が固いやそれ以上に悪辣な暴言を吐くのはやはりダメだ。誠実さも他の人への配慮もない。
暴言のいやらしさ
暴言は一過性で残らない。直接物理的に何かを破壊したりすることもない。相手の心に作用するのみである。その意味で非常にいやらしいものである。
日本女子プロゴルフ協会は隠さなかった
今回は、発覚直後に、LPGAの小林浩美会長が会場で会見して謝罪するという、極めて迅速な対応をとった。これについては、調査中と言って、とりあえず時間を稼ぐというよくある問題先送りという手もあったが、隠さず公表したということは紳士的といえる。これにより、協会全体の問題という評価から一選手の個人的問題として処理していくことができる。組織としての危機管理はさすがである。
スポーツの種類と人間性は関係ない
当たり前なのだが、紳士のスポーツだからといってプレーヤーが紳士的であるわけでもないし、殴り合うスポーツだから選手が暴力的であるわけでもない。単にその人間が紳士的か暴力的かというだけの話である。