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「10代の誘拐」がツイッターで相次ぐ悲しい理由と言うには余りに考察不足


この記事、キャッチーなタイトルだけれど、理由の考察が全然深掘りされていない。この記事に書かれているのは、SNSの出会い系犯罪一般に巻き込まれる理由について書いているだけ。「10代の誘拐」にまで詳細化するなら、もう一段の掘り下げが必要。この内容であれば、タイトルは、『出会い系犯罪がツイッターで相次ぐ悲しい理由』とすべきである。これについてみていく。

記事

緩い考察 

記事における「10代の誘拐」がツイッターで相次ぐ悲しい理由は、次の文章に表れている。

10代の場合、SNSが居場所となり、SNSの友達だけが本音を言える相手ということも少なくない。相談相手がいたことで孤独に陥らず、自殺を思いとどまったという子もいる。ネットの世界は、セーフティーネットとして機能する面がある。一方で、寂しくて悩みを抱える10代の子どもたちを狙う大人がいることも事実だ。

確かに、ここに書かれていることは考察として筋が通っている。しかし、これは、SNSを利用した出会い系犯罪全般に当てはまる内容でしかない。今回の考察は、「10代の誘拐」が相次ぐ理由でなければならない。もちろん、他の出会い系犯罪と比べて他に特徴的なことがなければ、これはそれほど問題ではない。しかし「10代の誘拐」には、他のSNS利用出会い系とは決定的な違いがある。何日、何ヶ月もその状態が続いていることだ。この理由については、記事では全く考慮されていない。少女側が長期間家に戻らないもしくは戻る気がないことについて何ら考察がない。出会い系犯罪には、少女側は、単なる好奇心や、ずっとやりとりしていたことによる同情、申し訳なさ等から会いに行ってしまい巻き込まれるパターンもある。しかしこの記事がテーマにしたはずの「10代の誘拐」では、これらの理由から起きたものではない。少女が、リアルな環境に絶望し、逃げ出したいと考えた先にこの事件があるわけで、それに触れずに「10代の誘拐」を語ることはできない。

理由が間違っているから解決の提案がおかしくなる

この記事ではSNSの正しい使い方を知らないから「10代の誘拐」が起きたと考察しているので、解決の提案も次のようなおかしなことになる。

SNSやゲームアプリ自体が悪いわけではない。しかし、悪用する大人がいること、ネットでは年齢・性別・職業などを偽ることができることは子どもに教えておくべきだろう。そして、ネット経由で知り合った人に会いに行くリスクを伝え、もし会いに行く場合には、親や友人に伝えてから、日中に人が多い場所で複数人で会うなど、対策して身を守るよう約束を取り付けてほしい。

いやいやいや、少女達は、現在のリアルな環境から逃げ出したいから、「誘拐犯」の元に自ら行き、何ヶ月もそこに留まっていたのである。身を守ると言っても、警察が乗り込んだ際に自ら隠れるなどをした少女もおり、記事の解決策では全く方向が違うと言わざるを得ない。今の環境から逃れたい少女に、「もし会いに行く場合には、親や友人に伝えてから」などというアドバイスをすることに何の意味があるのだろうか。せっかく逃れるのだから、連れ戻されるようなことをするのだろうか。

あまり考えずに書いた記事

結局、キャッチーなテーマを見つけたけれど、咀嚼しきれずに、結果を急いで書いてしまったというのがこの記事なのだろう。