時々のこと

子どものサッカーについて。小学校から遂に高校までたどり着きました。その他時々のこととか。

ももクリにおけるスポーツ紙の記事見出しセンスの差


ももいろクローバーZのクリスマスライブについてのスポーツ紙の見出しについて考えてみる。

両紙の見出し

中日スポーツの記事

「どうしても見たい景色があるんです!」ももクロ百田夏菜子コンサートで心の叫び「いつか4人で…」:芸能・社会:中日スポーツ(CHUNICHI Web)

日刊スポーツの記事

ももクロXマスライブ「新国立競技場で4人で…」 - 芸能 : 日刊スポーツ

どちらをクリックしたいか?

実際Googleで検索すると、サムネイル付きなので視覚的印象はまた違うが、見出しを文字だけでみると、どちらがキャッチーでクリックしたいと思うか。これは人によるとしか言えないが、文字から分かることを見てみよう。

中日スポーツの表現技法

中日スポーツは、「どうしても見たい景色」とは何だろうかと思わせてクリックを誘っている。あえて曖昧に表現することで、見出しを見た者の好奇心を刺激している。「心の叫び」という文句も、心の叫びとまで言う「どうしても見たい景色」とは何かと好奇心を増す方向で効いている。

日刊スポーツの表現技法

一方の日刊スポーツの見出しであるが、「どうしても見たい景色」が具体的に書かれている。というか、情報はそれだけであり、「心の叫び」などのような言葉の飾りさえない。記事の内容を最も短く表現したらこの見出しになるということ。見出しを見た者は、もっと詳しく知りたいということでクリックすることになる。

両紙のクリック誘引方法の差

中日スポーツは、心の叫びとまで言う「どうしても見たい景色」とは何なのか具体的に知りたい…というのが、クリックする側の気持ちで、それを期待した見出しになっている。だから見出しは長めになっているが、肝心のどうしても見たい景色とはどこのことという問いに対する情報は無い。クリックさせるために意図的に消されているのだから当たり前である。
一方の日刊スポーツは、見出しの情報は最低限すぎて、もっと詳しく知りたいと思わせるものとなっている。逆にももクロに興味のない者にとっては、これ以上の興味は湧かないので、クリックをすることはなくなる。これは、クリックしてもらえる機会を喪失しているように見えるが、しかし逆に考えれば、「心の叫び」とまで言う「見たい景色」の内容が、新国立競技場でのコンサートなのかと落胆する者を生じない誠実な見出しとも言える。
今回は全く両極端ではあるが、クリックさせるための戦術としてはどちらも長所短所がありどちらも間違った戦術というわけではない。

両紙で異なる手法を取ったことに対する相乗効果

また、中日スポーツと日刊スポーツで、異なる手法を採用したことも良かった。どちらの記事も同じ方法の見出しというよりも、異なっている方が、見出しに対する反応の仕方が人によって異なるので、見出しの多様な表現は、検索者にとって有益であろう。ただし、中日スポーツと日刊スポーツの見出し両方を見れば、大体わかったと満足してクリックさえしないという人が、何パーセントかいるであろう。それはそれで両紙は困る。この辺りは、同じネタを扱う以上仕方がないことであろう。