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新型コロナウイルス対策 NYセントラルパークで野営病院の意味


ニューヨーク市のセントラルパークで野営病院(Field Hospital)の建設が急ピッチで進められている。現地3/31開設予定という。この施設を開設することが何を意味するのか。

以下、NYポストの情報を元に書く。

立地

マンハッタン島の文字通りセントラルなので、救急搬送には良いロケーションであるし、巨大公園であるので、換気や、周囲への感染リスクは低いであろう。その意味では、良い立地であると言えるが、なぜ建物内ではなく野外なのか。電気上下水その他のインフラ環境は非常に悪いはず。特に下水は、汚物を流すことができない環境であれば、その処理において感染リスクが非常に高くなるのではないだろうか。
しかし、それどころではない、1床でも多くのベッドをということなのであろう。これだけで、ニューヨーク市における新型コロナウイルス対策の緊急性が分かる。

施設概要

建物はテントである。14のテントで合計床面積4千6百平方メートル(1400坪)の仮設病院が設営される予定という。テント1つが100坪という、巨大テントである。記載はないが、難燃性加工が施されているのだろう。
患者の受け入れ可能数は68人で、仮設集中治療室が10室設けられる。

人工呼吸器10台

人工呼吸器は10台準備される。これは、仮設集中治療室に配備される。この数が多いか少ないかはなんとも言えない。ニューヨーク州の感染者が6万人を超えた中、焼け石に水とも言えるが、少しでも多く必要なものということで、これも直ちに必要な設備である。

運用

患者は、他病院から転送される患者のみで、駆け込みの患者は受け付けない…ということなのだが、この辺り、厳格な運用ができるのだろうか。新型コロナウイルスの感染が生死に関わることであると知っている患者が、近くに病院があると知っていれば、駆け込んでくることは容易に想像ができる、それをどのように拒むのだろうか。野外病院を建設しなければならない状況なのである。駆け込みが殺到する事態も想定されているはずである。駆け込みを受け入れたら、恐らく回らなくなるのであろうから。

従事者70名を率いるのは非常事態の経験豊富な医師

NYポストによると、医療従事者70名の体制で臨む予定のこの野外病院。率いるのは、西アフリカでエボラ出血熱を、シリアで難民を、エクアドルで地震後の対応を行ってきたエリオット・テンペニー医師。確かに特筆すべき経歴である。

野営病院仮設の意味

エリオット・テンペニー医師の特筆すべき経歴。ここにマンハッタンの新型コロナ対策が加わることになる。これだけで、今のニューヨークが緊急事態であることが浮かび上がる。ベッドは1床でも多く、人工呼吸器も1台でも多くということ。

仮設遺体安置所

ニューヨーク市内では、この野外病院設営に先立ち、3月24日には、仮設の遺体安置所の設営が始まっている。生かすための施設、亡くなってからの施設が共に足らず、仮設に頼らざるを得ない状況にニューヨークは陥っている。