グーグルの検索トップページのグーグルロゴが、通常とは異なる遊び心のあるものになっていることがある。これはGoogle Doodleグーグルドゥードゥルと呼ばれる(ドゥードゥルは落書きの意味)。2020年4月4日のグーグルドゥードゥルは、新型コロナウイルス感染症である。これだけでも私企業であるGoogle社が人類の敵である新型コロナ対策に本気で対峙していることが分かる。
【図1】2020年4月4日のGoogle Doodleのイメージキャプチャ
Stay Home. Save Lives.
日本語版では、「家にいよう。みんなのために」となっているが、英語版では、「家にいろ。命を守れ」命令文であり、かつ2番目の文がより直接的になっている。この単純であるが強いメッセージが、新型コロナウイルス感染症のグーグルドゥードゥルのタイトル。命令形である。シンプルで命令形としても強く重い言葉である。
絵の中身
家の中で本を読んだり、歌ったりギター弾いたり、愛する人と電話したり、トレーニングしたり、また愛する人と電話したりといった室内レクリエーションが描かれている。つまり、家にいても、これだけの楽しみがあるのだよ、だからみんなのために家にいようよと言っている。
全世代向けメッセージ
東京都知事をはじめ、NHKや朝日新聞のマスコミも含め、若者よ出歩くなという形のコロナウイルスの蔓延防止メッセージがなされているが、グーグルはそんな差別はしない。グーグルの検索ページにアクサスする者全てに、同じメッセージを送る。家にいようよと。特に、電話の2人は、ハートマークで繋がっているので、愛し合う2人なのであろう。その2人でさえ、それぞれの家にいると言う描写。これを入れることで、グーグルの本気が知れる。若者とか年寄りとかの年代の話ではなく、恋人同士でも、会うべきではない、電話で語ろうという描写の力は、地味な描写ながら、中身が深い。
予兆
コロナウイルスの注意換気をする予兆はあった。3月20日のグーグルドゥードゥルは、手洗いの効果を提唱したセンメルヴェイス・イグナーツ(Ignaz Semmelweis)。この時は、ロゴをリンクすると、1分間でできるスタイリッシュな手洗いの説明アニメが流れた。
遊び心のある新型コロナウイルス感染症への基本対策の周知であった。これは、Google Doodleによくある偉人を讃えるパターンに倣ってはいる。しかし、このドゥードゥルのメインは、手洗いを推奨するということにあったはず。だから、有効な手洗い方法を説明するアニメーションを作ったはずである。
今回は直球の注意喚起
センメルヴェイス・イグナーツで手洗いを提唱したが、今度は直球で、新型コロナをテーマにしたトップページにしてきた。Google検索は多くの人に利用され、多くの人が目にするページである。ここに新型コロナ感染予防のための周知を置くこと。これは、グーグルの公共性を、グーグル社自らが認識していることの表れであろう。
第三弾はあるか?
手洗い推奨(3/20)、不要不急の外出自粛(4/4)と来たが、次はあるのだろうか。あるとしたらどのようなものになるのだろうか。これは、新型コロナの蔓延状況次第なのだろう。しかし、第三弾が出されるということは、状況は良くなってはいないということなのだろう。