新型コロナウイルス感染のパンデミックが、日本においても深刻化する中、さらに別の伝染病がWHOより報告された。新しい病気ではないが、致死率が高い病気である、黄熱の発生報告である。
WHOの報告文書
"Yellow fever – Republic of South Sudan"
(WHO, Disease Outbreak News ,10 April 2020)
発生地
南スーダン中央エクアトリア州カジョ・ケニ郡
報告された事例数と経緯
2例(死亡例無し)
2020年3月3日、南スーダン保健省は、南スーダンの中央エクアトリア州カジョ・ケニ郡で黄熱の推定陽性2例を報告した。その後、3月28日のウガンダウイルス研究所(UVRI)の地域参照研究所でのプラーク減少中和試験(PRNT)により、両方の症例が陽性であることが確認されました。
南スーダンにおける過去の発生
前回発生は、1年半前の2018/11、さらにその前は、それから15年半前の2003年5月。WHOの確認するところでも、発生はかなり珍しい病気である。
南スーダンにおける新型コロナ感染者有無
4月4日に1名発生。それまでは、感染報告がなかった。南スーダン発表では、オランダから2月28日にエチオピアを経由して入国した女性とだけの報告であったが、国連南スーダン派遣団は、スタッフの1人が感染したと公表している。【情報元】南スーダンで初の感染確認 新型コロナ、アフリカほぼ全域に拡大:時事ドットコム
これは、不幸中の幸いなのか、不幸の始まりなのか。黄熱病と新型コロナ対応は、国として同時並行的な対応は困難であると思われる。南スーダンは、新型コロナウイルス感染を初期の段階で抑える必要がある。しかし、国連の平和維持活動(PKO)組織である国際連合南スーダン派遣団(UNMISS)への派遣者が、国の新型コロナ感染者第1号というのは、ちょっと国連という組織としてマズイ。
WHOに提唱された予防策
黄熱ワクチン接種一択である。海外からの旅行者も含め、接種が推奨されている。新型コロナウイルスと異なり、既にワクチンがあるであるから、これは当然である。
日本における影響
日本での発症事例はない。【情報元】黄熱に関するQ&Aについて(厚生労働省)