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J1サガン鳥栖の収支が厳しい〜トーレスとCygames


サガン鳥栖の経営情報として2019年度の損益が公表されている。営業損益が▲19億円。売上26億円の企業でこれはまずい。2020年度は更に新型コロナウイルスの影響も加わるので、経営環境は厳しさを増す。トーレス獲得が結果的には裏目に出た形だ。

前年度過去最高売上からの転落

悪い数字

広告収入

2017年度、2018年度、2019年度の損益が開示されているだが、収入は、広告収入の落ち込みが激しい。

広告収入、16億、23億、 8億。
売上高は、34億、43億、26億。

2017年度と2019年度は、結局、広告収入の落込み金額がそのまま売上高の差に現れている。

その間の2018年度が、突出して広告収入が良いため、これが続く前提で予算立てたら前年比65%減となり失敗したというこ。しかし、Cygamesが抜けることによる広告収入落ち込みは予想できたはず。というより、Cygames分は、5億と言われていたはず。しかし実際には、2018年度より15億、2017年度比でも8億落ち込んでいる。Cygamesが落ちたことに同期して落ちたと言うにしても大きい減額である。
更に、2016年度以前を調べてみると、以下のようになる。
2016年度16億
2015年度12億
2014年度8億
2013年度6億
つまり、2019年度の広告収入は、2014年度のレベルに戻ったということ。ずっと右肩上がりできた成長が、下がるとなると5年分消し飛ぶ激減。

販売管理費

2019年度は2018年度の37億円と同じ37億円となっている。2017年度は28億円であり、広告収入が減少してもこちらは削減できなかったのが痛い。しかも、全ての費目が、2017年度よりアップして、大きな増収であった2018年度水準となっている。2020年度は、トーレスが抜けたので、5億は挽回できると言えるかもしれない。ただし、トーレスは、2019年度のシーズン途中で引退しており、そもそも2019年度は、5億全部が支払われているわけではないはず。

売上総損益とチーム人件費

2019年度の売上総損益(売上からグッズ制作費等の売上原価を引いたもの)より、チーム人件費の方が1億円以上多い。これは組織運営として話にならない。しかしここは選手の年俸に関わる部分でもあり、安易な減額は難しいところ。トーレスが抜けたことによる改善はあるが、これはグッズ売上やスポンサー交渉等にマイナスの影響が出る。

結局、サイゲームス

先に見た、広告収入が、5年前の2014年度水準に激減したことについてだが、2015年度に4億円という50%増があったのだが、これはこの年からCygamesがスポンサーとなったためである。そして、2019年度はCygamesがスポンサーから抜けた年度。結局、サイゲームスによる影響が大きかったということになる…が、それだけではなく、トーレス獲得や、佐賀県のプロバスケットボールチームである佐賀バルーナーズの社長人事等の経営判断において色々あったことも、スポンサーの維持、獲得に影響した可能性が高い。企業がスポンサーになると判断する場合に、対象企業の経営内容を見るのは当然であり、20代でしかも自分の息子を関連企業の抜擢してしまう経営感覚を肯定できる経営者は少ない。しかも、売上が、広告収入頼みという屋台骨がしっかりしていないにも関わらず、1人の選手に高額な年俸を払うというリスクを取ってしまう企業である。これでCygamesが離脱したと言われるが、広告収入の落ち込みから見て、更に追随してスポンサーから降りた企業があったのだろう。

増資と新スポンサーで対応

約20億円の当期純損失については、ほぼ同額を増資でまかなって対応した。2020年度は、新しくスポンサーが見込めるという。

純損失を増資で賄ったと過去形になっているので、純損失による不安は当面はやり過ごせる。しかし、問題なのは、スポンサーからの広告収入だ。そもそもスポンサーからの広告収入が売上の大きな割合を占めるこの会社で、2019年度は、大きく落ち込んでいる。ここに一掃の力が入れられるだろう。

スポンサーをあてにするのは厳しい

とはいえ、今年は新型コロナウイルスにより活動自粛が続き、売上面に大きな影響を及ぼしているはず。問題は新しいスポンサーについてであり、見込めるとしか書いていない。2017年度と比べて半分、2018年度と比べると35%しかない広告収入を増加させるのはなかなか厳しいであろう。そもそも県内企業でスポンサー契約を依頼できる新規先など残っていないであろう。となると、県外に活路を見出すことになろうが、地域密着型のチームというイメージが強いので、県外の企業がスポンサーになるには、なんらかのチームとの合理的繋がりが求められよう。これが足かせになるだろう。また、新型コロナによる影響は、この会社のみでなく、世界中の企業で問題となっていく。既存のスポンサー企業の離脱やスポンサー料減額の可能性があり、予断を許さない。

結論

前年度対比、広告収入は激減しているが、支出は変わらないという企業運営が問題であることは、2017年度〜2019年度の損益を見れば明らか。広告収入依存であるにもかかわらず、その変動が大きすぎることが、この会社の課題である。2020年度は、コロナの影響が大きいであろうが、乗り越えることはできるであろうか。