今年、旅行に行くのは難しくなったので、写真フォルダの中にあった上海博物館の名品と迷品を上げていく。
18世紀の徳利…
…ではなく壁掛け花瓶。大吉のペアというのがまた良い。大吉という表現は、日本のオリジナルじゃ無いのね。
18世紀の4本繋がった徳利…
これ、徳利が4本くっついている。どうやってお酒を注ぐのだろう…と思ったら、これも花瓶。4輪挿しということか。徳利だったら面白かったのに。
銅鐸楽器
ちゃんと鳴って音楽奏でています。これは楽しい。原理は、ハンドベルが鳴るのと同じで、銅鐸が小さい方が高音になる。一聴の価値あり。
謎のオブジェ
これ何?装飾があるから単なる実用道具ではないだろう。つまり、生活に豊かさを与えるものか、儀式的な用途で使うものということ。真ん中に筒状のものがある。この部分だけがなぜか異常に実用実用していて、他の装飾部分とのギャップが凄い。実用上の理由から、ここに装飾を施すことができなかった、もしくは、これはあり得ないとは思うが、作って見たら、ここに筒を足さないと実用上問題があるとかになったのだろうと思う。
さて、これの用途はというと、ちゃんと展示の横に写真で解説されている。言われて見れば驚く用途ではない。英語の説明では、“DRUM STAND”となっている。太鼓台。そのままだな…しかし、用途に納得はできるが、この視覚的インパクトは強い。自分の人生の中で和太鼓(この展示では中国の太鼓なので和太鼓ではないが似たタイプなので和太鼓と呼ぶ)をこのような形で固定するのは見たことがない。用途には納得できるが、視覚的インパクトは、驚きということ。しかも、棒が太鼓を貫いているということか?そうすると、太鼓の鳴りに影響があると思うのだが。しかも、叩くと折れたり倒れるのではないかという心配が直ぐ浮かんでくる。本当にインパクトある写真である。
太鼓付きの姿は写真のみでしか見られず残念。いやあ、展示を太鼓付きにしてくれれば良かったのに。
菩薩
なんか手の感じが生身の人間ぽい生々しさがある。「菩薩彩絵泥塑像」としか書いてなくて、何菩薩なのか不明。結構アバウトなのね。
思惟像、半跏なし。
ちっちゃいけれど、見慣れた半跏思惟像か、と思ったが。「思惟菩薩銅像」と言うらしい。台座に座って左足ダラリという構図ではないから、半跏ではない。しかし、先ほどの「菩薩彩絵泥塑像」は、単に菩薩としか書いていなかったが、こちらは「思惟菩薩」とあるので、弥勒菩薩ですね。
多面落款
6面落款。どの面も利用するというのは合理的だけれど、押す時に手が汚れて、紙を汚すリスクがあるんじゃないか?更に手に触れることで磨耗が進みやすいのではとは思う。あと、立方体だから6面あるのに5面しか見本で押されていない。なぜ?それとも1面は何も掘らないのがお約束なのか?知識不足で楽しめない。こういうところに教養が出るのだろう。
原始貨幣
昔のお金。「原始貨幣」と書いてある。子供の頃読んだ、子供用の歴史マンガでしか見たことのないものの実物を見た。なんか写真にすると大したことないと言えばその通りだが、実物見たときは、ちょっと感動した。
ダガーナイフならぬダガー戈
戈(dagger-axe)。上のやつが意匠的に美しい。最初見たときは、握って使うダガーナイフだと思った。実際は、長い杖の先に付ける武器。
総論
この博物館は非常に良い。上海に行った時は是非。入場料無料。中国の歴史について知識があればあるほど楽しめるはず。本当に多くの展示があります。
渡れない道
黄陂南路駅から徒歩16分ということだが、実は大通りでどんなにまっすぐ進んでも渡れない罠があり、地図で見たら600メートルずっと渡ることはできなかった。このため、20分のコースとなってしまったが、実感的に駅から博物館まで30分以上歩いたイメージ。Googleマップはちゃんとこの辺りの制約を考慮した経路を提示してくれていたので、ちゃんと見れば良かったと。