時々のこと

子どものサッカーについて。小学校から遂に高校までたどり着きました。その他時々のこととか。

【試合に出るために】足の遅い子が難しいことなしに敵を抜くドリブル技術(並走編)


これを身につければ、足の遅い子もドリブルで敵を置き去りにできる。細やかさの違いはあれどJリーグの選手も使う間違いのない技術である。脚の遅さをカバーするには、相手の速さを利用するか、相手の速さを減速させるかすれば良いだけ。

ただしこちらは、並走しているときの技術です。正面から向かい合う場合の技術は、こちらになります。

前提技術

次のことができる技術を有することが前提になります。

【必須技術】

・体からボールが大きく離れないように前に進むドリブルができること

・抜き去りたいという気持ち

【望ましい技術】

・アウトサイドまたはアウトフロントのドリブルができること(ドリブルが速くなる)

・両足でドリブルできること

方法

次の2つを意識し、実践する。

急停止(並走する相手を剥がす技術)

これは敵の足の速さを利用する技術です。
適用シーンは、敵と並走してドリブルする場面が一番効果的です。

追いつかれそうになったら、急に止まる。そうすれば、相手は急には止まれないので勝手に離れていってくれます。その後、相手が進んだ方向とは違う方向へドリブルを再開すれば良い。Jリーグ、代表戦どの試合を見ても、1回は見ることができるほどのプレーですし、小学生の試合でもちょくちょく見かける技です。それだけ効果的ということです。

再度走る時、今までと同じ方向にドリブルを再開しない方が良いです。そこには、せっかくやり過ごした敵が待っていますから。せっかくバイバイしたのだから、違う方向へ行きましょう。
理想は、タッチライン(ピッチの両側の線)沿いにドリブルしていて、敵がその内側を並走しているパターンです。ここで急に止まって、敵を前にやり過ごしてから、斜め内側、つまりゴールに向かって切り込むドリブルです。ドリブル状態からピタッと止まるのは練習です。できるだけ唐突に、かつ一瞬で止まれると効果的ですが、それほど一瞬で止まれなくても、唐突であればかなり効果があります。止まったら、できるだけ早く違う方向にドリブル再開すると効果的です。

敵の進路に背を向ける(後ろから追いかけてくる相手を減速させる技術)

これは敵の足の速さを減速させる技術です。適用シーンは、敵を後ろに感じながらドリブルする場面です。

自分がドリブルしている時に、足の速い敵が後ろから迫ってくる場合は、大抵、敵はまず並走する方を考え、それから追い抜こうとします。決してドリブルする子の背中を目標にはしません。大抵ゴールに近い側の肩あたりを目標に走ってくると思います。後ろからのチャージは反則ですから、真後ろではなく並走することが目標になるのは当然です。足に自信のある子は、もう本当に自信満々に真横に着いて追い越そうとします。対応としては、1つ目の急停止でも良いのですが、自分が止まるとせっかくドリブルして多くの敵を後方に置いてきぼりにしてきた意味がなくなります。また、後ろから迫って来る敵が一番気にしなければならない敵であるというシチュエーションは、前方には敵がキーパーしかいないということです。そういう時に止まるドリブルはもったいないです。是非ともシュートまで繋げたいです。そんな時に、自信満々に真横で並走しようとしてくる足の速い敵の進路に、自分のドリブル方向を少しだけでも変えればどうなるでしょう。要は、陸上競技で、走っている最中に隣のレーンに入って走路妨害するイメージです。これ、効きます。陸上競技では、妨害側が妨害される側に接触しようものなら大批判かつ失格ですが、サッカーのドリブルでは、逆に進路妨害される側がドリブルする者に触れようものなら、バックチャージでフリーキック献上になります。脚の速い敵ディフェンダーは、ボールを奪う、もしくは外に蹴り出せることを確信して、全力で走ってきます。その目の前を急にドリブルする相手が横切ることは、なぜか敵選手は想定していません。というか想定していてもどうにもなりません。敵は、前方を走るドリブラーに全力で追いつこうとするしかないのですから。だから、これを食らわせると相手は一瞬思考停止します。しかしぶつかるとまずいという判断は瞬時になされるため、結果として相手の走りは激しく減速します。そこを利用して本人なりにできるだけ速いドリブルを続ければ良いのです。これで、追いつかれる直前に敵を置き去りにできます。万一敵がスピードコントロールを誤っても、ぶつかられてFK獲得できるので問題ありません。また、敵の進路に入ったら、陸上競技と異なり、以後は、その見えないレーンはドリブラーのレーンになります。後ろからどれだけ走っても同じレーンにいたのでは、敵は何も成果を上げられないので、敵は再度、内側のレーンに移動した上で、並走を狙うしかありません。以下その繰り返しで理論的には容易にゴール前に到達できるでしょう。

技術習得前の過去の失敗

自陣での敵コーナーキックを味方が防いだ際、背が低いためこぼれ球要員としてセンターサークル近くにいたウチの子にキーパーからボールをもらうというシチュエーションがあった。しかも前が開けた状態で。もう真っ直ぐドリブルしますよね。しかし本人の全速ドリブル虚しく、後ろから、敵の大柄なセンターバックが追ってきます。最後は敵のセンターバックの長い足でウチの子のドリブルするボールを突かれて終わりでした。独走でドリブルする機会など、あまりないので、対応を誤っていました。しかし、成長期到来済みの大柄の相手が、まだゴールデンエイジの小さな自分の子を狩る瞬間を見るのは辛い。何とも悲しいプレー。しかしこれ、先に書いた2つの両方もしくは一方でも対応可能です。TPOに合わせてか、もしくは上手くできる方を選べば良いです。

しかしこのシンプルなプレイがなかなかできない

まあ…これ、成長による身長差、体力差のある思春期に、成長期入るのが遅い子にとっては、非常に有効なのだけれど、なかなかできない。ウチの子は小5でU-12の試合の中ではこれが出来なかった。試合で焦るから。そしてなぜ焦るかというと、試合に出してもらう機会が少なく、経験が足りないから。ドリブル独走などというシーンは、滅多に訪れない。この経験が足りないというのは大きい。何度も試合で失敗して、急停止なり、相手に背を向けたドリブルするなりを学ぶべきところ、経験値が少ないから、なかなか身につかない。しかし、一度クリアすれば、成長期前のゴールデンエイジの強みで体が覚えるので、その後段々と落ち着いたプレーを獲得できる。

比較的簡単な技術なので是非

まあ、特に難しい技術でも誰も知らないような技術でもなく、基本の技術かつ簡単な技術なのだが、これは身に付ければ、足の遅い子も速い子をドリブルで置き去りにできるので、身につけると良いです。ウチの子はこの2つを身につけてから落ち着いたプレーができるようになった。急停止は普通にプロでも頻繁に使われ、効果的なので使わない手はない。敵から離れて行ってくれるので、心の余裕ができ、次のプレーに移行しやすい。なんとなれば、カットインしてゴールも狙える。背中を見せるプレーは、ウチの子の背が低いこともあるが、大きい子がやってる敵センターバックがぶつかろうものなら、FK獲得率は非常に高い。これも使わない手はない。特に後者は、やることと言ったらドリブルの進路を少し変えるだけだから、身につけるのは心構えだけ、簡単。

クラムジーの到来の早い遅い

しかし、このプレーさえ、うちの子の場合、クラムジーでギクシャクしてしまったのだから、成長期は恐ろしい。そもそも速い方だった脚が、並みになってしまった上でのぎこちないプレー。自分が成長期な入る前で、同級生が皆ぐんぐん大きくなっている時は、身長差は広がるが、逆に同級生は、クラムジーにかかっているので、ある意味抜きやすくもあったのだろう。しかし、相手の体格が出来てきて、クラムジーも抜けてきた時に、自分の子が成長期中でクラムジー開始みたいになると、もう、プレーの差は広がるばかり。

つまり、これは、

  • 成長の遅い子の成長期突入前、
  • 他の子が成長期に入って身長差がついて恐ろしくなった時、

に、まさに有効な手段なのである。

ウチの子の様に、試合に出ることもままならない背の低い成長期前の子供は是非身につけてほしい技術である。特に2つ目の技術は、敵の進路を背中を向けたドリブルで妨害するだけなのだから。