日本の祝日は「国民の祝日に関する法律」で定められている。年間では、1月1日の元旦から11月23日の勤労感謝の日まで16日定められている。
そして、たとえば海の日は、 「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」というように、それぞれの祝日には意義がある。
そんな中、教師の日を制定する動きがあるのだそう。
何か誰かに感謝する祝日
日本の祝日には、それぞれ意義が「国民の祝日に関する法律」で定められている。その意義の中で「感謝」という言葉を使われたものがある。
みどりの日(5月4日)
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ
こどもの日(5月5日)
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する
海の日(7月の第3月曜日)
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
山の日(8月11日)
山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する
勤労感謝の日(11月23日)
勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう
誰かのための日
日本の祝日には誰かを対象とした祝日がある。
成人の日( 1月の第2月曜日)
天皇誕生日(2月23日)
こどもの日(5月5日)
敬老の日(9月の第3月曜日)
秋分の日(秋分日:祖先を敬い、なくなった人々をしのぶ)
勤労感謝の日(11月23日)
これらの内、天皇誕生日以外は、誰でもその対象になる可能性がある日である。成人すれば、こどもならば、年齢を重ねれば、勤労すればというように。
誰もが対象となるのではない特定の誰かに感謝する日
上で見たように、現在の日本の祝日には、特定の誰かしか対象ではない感謝する日は無い。そんな中で、「教師の日」を制定する場合、なぜ教師に対して感謝する日を制定するのかという意義が必要になる。
勤労感謝の日の存在
職業人に対する感謝の日は、法律で既に勤労感謝の日として定められている。故に、教師の日を定めるとするならば、勤労感謝の日では定めきれない教師特有の意義を定める必要があるということ。何があるのだろうか。
国民を教育することの大切さ
確かに、国民の教育は、日本という国大切なことである。また、国民は教育を受ける権利を有している。その担い手である教師に感謝すべきということは理解できる。しかしそれをいうならば、公務員全体が、教育分野に限らないが国民に対し働いている。ことさら教師だけに限定する必要がなければ、「公務員の日」とすべきように思うし、それはつまり、「勤労感謝の日」に含まれると考えることができる。
教師の日を制定するには、やはり国民を教育するということの特別さを明確に定めなければならないだろう。
教師であることが感謝の対象になるのか
国民を教育することの重要性はあるにしても、教師であれば全て感謝の対象となるのか。教師が聖職であると言い切れればその通りかもしれないが、昨今のニュース等を見るにそれも何かおかしい。勤労感謝の日があるにもかかわらず、あえて教師の日を定めるというのであれば、やはり何か理由が必要。
高いハードル
誰でも対象になれるわけではない特定の人に対する感謝の日は、現在の日本の祝日には無い。それを制定するには、よほど説得力のある意義を持ってこないと、祝日にするのは難しいだろう。