3億円強。Jリーグの下から2番目。最下位の大分トリニータとそれほど変わらない。何でこんなことになった?トーレスが2年前、2019年にいたチームなのに。ヴィッセル神戸はともかく、名古屋グランパスの上位3選手の年俸とサガン鳥栖全選手の年俸が同じと言う状況。名古屋グランパスは、2019年に金崎夢生選手がサガン鳥栖から期限付き移籍したチーム。年俸8千万なので、2021年度にサガン鳥栖に戻すことなどできない。結局、金崎選手は名古屋グランパスに完全移籍となる。一方のサガン鳥栖には年俸3千万円の選手さえいない。2020年度も酷かったが、その上をいく状況。
ユニフォームスポンサー
公式サイトの年度別ユニフォーム紹介ページのイラスト。これが年々寂しくなっており、サガン鳥栖の年俸が厳しくなっているのと完全に歩調を合わせている。
2018年
DHC、Cygames、ブリヂストンと、全国区のブランドが目立つ場所に付いている。知名度あるスポンサーという意味で豪華なユニフォーム。これぞJ1のユニフォーム。この年、トーレスを獲得。
2019年
背中スポンサー(Cygames)がなくなる。後ろ姿が少し寂しい。
2020年
胸スポンサー(DHC)が降りる。開幕直前まで決まらないまま暫定的に佐賀新聞となり、11月になって木村情報技術に正式決定。鎖骨スポンサーが追加される。鎖骨スポンサーがついたため前面は華やかだが…木村情報技術は全国展開と言えるがビジネス向けの会社。そしてパンツスポンサーのブリヂストンが全国区のブランド。その他は佐賀県内へのみ訴求するブランドになっている。
2021年
遂に2018年のユニフォームスポンサーは、袖スポンサーの地元佐賀新聞を除き全て撤退。
パンツスポンサー(ブリヂストン)が降りて、一旦無しと公表されるが、2/24にマンガ『キングダム』の作者がパンツスポンサーに追加される。
原因は"一度優勝しよう"という魔法の言葉としか…
元社長が一度優勝しようという気になったのが下り坂の転機と言われる。Cygamesがスポンサーについて、1社から5億円というスポンサー料手に入ったら、それは今の全体で3億円強というチーム合計年俸とはできることが違う。チームも上り坂であったし、こう言いたくなる気持ちは分からなくもない。しかしJリーグのチーム運営はビジネスである。しかも中小企業のそれである。Cygamesが突然抜けたら、即行き詰まる事態となり、結局、社長降板にまで至った。まあ、Cygamesから得たスポンサー料をそのままトーレスの年俸に充てるなんてことするのはJリーグ経営者として失格ではある。確かに世界的サッカー選手を入れれば人集めの効果はあるだろうが、いかんせん5億円。2021年度チーム年俸合算の1.5倍を1人の選手に払ったのだからその異常性がわかる。チームの持続的成長を考えたら、1選手に偏った投資は害悪だろう。まあとにかくCygamesがスポンサーを降りてからは、いきなりお金が足らないチームになってしまった。"一度優勝しよう」と思ったツケは大きい。
本気で優勝する気はあったのか?
本気で優勝する気であるのならば、サッカーでは、世界的スター選手を一人連れてきても話にならないことは、少なくともJ1クラブの社長をしていれば分かるはず。明らかに経営を見誤ったと言える。結果論だが。トーレス1人に5億円超というのは、現在の全選手で3億円超で戦っていることを考えれば、どれだけ異常か、かつどれだけ勿体無いことをしたかが分かる。5億円あれば、5千万円の選手が10人獲れる。5千万円といえば、各J1クラブのスタメンクラスの年俸。しかも、実際はトーレス以外の選手にも比較的高い年俸払っていたので、かなりの選手を獲得できるだけの予算である。本当に優勝を狙えたであろうに。社長は惜しいことをした。タイミングが悪かったとも言える。神戸がポドルスキ、イニエスタと華々しく獲得しており、そこにトーレスという出物があったわけで、これまで破格の上り調子だったサガン鳥栖の勢いで魔がさしたのかもしれない。結局、足掻いたけれど、社長は2021年シーズン開始前に辞任となった。