時々のこと

子どものサッカーについて。小学校から遂に高校までたどり着きました。その他時々のこととか。

スズメバチに立ち向かう高校職員


記事の見出し『登校中の高校生男女13人、スズメバチに襲われる…校長「現場に職員を立たせて警戒したい」』を見るだけで、読者はこの校長のやっていることが根本からおかしいのではと思うはず。スズメバチへの対応に職員を立たせたら、高校生の身は多少安全になるかもしれないが、今度は職員が刺されるだけだろう。どうやって職員の身を守るのか。ハチ駆除業者に防護服を借りるのだろうか。記事本文を見てもこの点は分からない。記者はもっと書かなければならないことがあるはず。逆に敢えてその辺りを書いていない気がする。そうすることで「職員だからって高校生が刺されているのにスズメバチに太刀打ちできるわけないでしょ」という感想を読者に抱かせることができるから。ちょっとしたエンタテインメント作品的にこの記事がが書かれている印象。

記事

高校生13人が刺される状況の深刻さ

これは深刻な事態である。しかし、この事態には、ちゃんと高校と町が迅速に対応していて、当日中に歩道脇の崖下付近にあったハチの巣は駆除されている。

高校の対応

速やかに駆除すべく町に連絡してハチの巣の駆除を依頼している。これは迅速な対応である。更に帰る巣を失ったハチがまだその辺りにいる可能性を考えて、もう1つの対応を取った。これが翌朝の登校時間帯に現場に職員を立たせて警戒することだった。いや、流石に高校生13人があっさり刺されてしまうスズメバチに対して職員を立たせるのは、職員が刺されるリスクが増えるだけではないだろうか。

職員の身の安全を確保して警戒する方法

これ、どのような方法で俺警戒するのだろうか。防護服を借りて着させるか、ハチの巣があった場所から十分な距離をとるかくらいしか無いだろう。前者はそれならハチの駆除業者に依頼した方がプロであるから適任だろうし、後者では意味があるのだろうかという気がする。実際に行われるのは、後者で、主な活動は登校中の生徒への注意喚起なのだろうと考える。

この記事はやはり見出しが全て

登校中の高校生男女13人、スズメバチに襲われる…校長「現場に職員を立たせて警戒したい」

これを見て、「職員なら高校生と違ってスズメバチに太刀打ちできるというのか?」というツッコミを思いついたら記者の勝ちである。記者はそう思わせるために、中身はかなりシンプルな記事を書いている。見出しが全ての記事なのだ。ネット記事ならではと言える。校長を笑い者的に扱うことで成り立つ記事なのだが、校長としては本文によれば、

「スズメバチの被害は初めて。28日朝は現場に職員を立たせて警戒したい」

とある。つまり、被害が初めての中、生徒のためにできることはするという考えで職員を立たせて警戒するという策を学校は選んだ。これは笑うべきことではない。できる範囲でできることをしようというのは、時間が限られる状況では悪くない。記事見出しから得られる印象ほどには、この高校の対応策は悪いとはいえないと思う。