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預金の不正引き出しに無策であることを語る全国銀行協会


まあ、なんというか、無策だと。

預金の不正引き出しに対応するすべは全国銀行協会には思いつかない、無策だと、そう言っている。

記事

全国銀行協会コメント

全国銀行協会(全銀協)は「一人一人が詐欺に遭わないように注意することが効果的な対策」と強調している。

これ、本気で言っているのだろうか。「詐欺に遭わないように注意すること」が「効果的な対策」だと。いや、効果的どころかこれは対策でさえない。この背景には、銀行ではどうしようもない、騙される顧客が一義的には悪いという考えがあるからだろう。それはあながち間違いではない。しかしお客様相手の商売なのでそれも言えない。
まあ、全銀協の誰、どころか、どこの部署のコメントかも書いていない段階でお察しということ。啓蒙するのであれば全銀協会長名で書くべきもの。そうでない出所不明の発言は、意味がないもの。

改めて確認

「一人一人が詐欺に遭わないように注意することが効果的な対策」
これは、本質的には正しい。現在は、この詐欺にひっかかった顧客は、銀行から被害額を補償されるので金銭的損失を被らない。

金融犯罪にご注意ください : 不正引出被害の補償と流れについて | 三菱UFJ銀行

金銭的損失を被らないならば、あまり注意することもない。通常、詐欺は、騙されたら自分の財産が損なわれる。しかし預金不正引き出しはそれがない。これが発生件数と被害金額の増加の理由だろう。そして、銀行協会としてコメントを求められても、注意してと言うしかない。

コメントの注意深さ

なお、この本当に全銀協の誰かが言ったのかさえ怪しいコメントながら、1点注意深いところがあって、書き出しがいきなり「一人一人が」となっているところ。これは、この詐欺のきっかけが顧客が騙されたことから生ずるものなので、本来、「銀行のお客様一人一人が」となるべきところ、顧客に配慮して「銀行のお客様」という言葉を伏せている。この点で銀行員らしいと言うか、全銀協の誰かのコメントなのだろうと思える。

記者のズルさ

この記事は、タイトルが全て。記事は、最近の被害状況、手口、全銀協コメントという三部構成。まあ、1つ目の最近の被害状況を記者は得たのだろう。それを膨らませるために手口を書いて、で、当の銀行のコメントで締めたいというのが記者の考えたこの記事の構成だったのだろう。銀行全体の問題だからということで、全銀協に取材したが、正式な回答が得られなかった、回答者名、回答者肩書、回答部署名全てを伏せるなら、そもそも取材していない等の理由からこのような記事になったと推測する。