見送るという結論があるのに、そのための調整の時間が必要ということらしい。
記事
結論
公明党は今月5日に記述式問題の導入延期を要望。自民党も同6日、記述式問題について、早急な方針を表明するよう求める決議をまとめ、文科相に提出していた。
この記述が全て。与党が延期を求めているのだから。延期しろという結論は既にある。何ですぐに発表しないかというくらいのもの。
延期する方向で調整に入った
上に見たように、結論は既に出ているのである。しかし、未だ「延期する方向で調整に入った」段階ということである。「延期する調整に入った」のではない、「延期する方向」なのである。こう言ったときによく使われる「方向」という言葉の意味はなかなか味わい深い。「消防署の方から来ました」と同じテイストである。調整自体は必要ではあろう。プロジェクトとしては進んでいるとのだから。しかし、結論は出ているのだから、「延期する方向で調整に入った」後で延期を発表する必要はなく、発表してから諸々の調整をすれば良いのではないかとは思う。
自民党の方針がポイント
自民党は「記述式問題について、早急な方針を表明するよう求める決議」をまとめたとのこと。これ、一見、別に延期しろと言っているわけではない。ただし、今までの方針、つまり延期しないということならば、わざわざ早急な方針の表明は要らない。つまり、明示的に言ってはいないけれど、延期しろと言っている。恐らく、こういうところに気が回る国語力の有無を記述式問題では見るのでしょう。
こうなることは見えていたのに…
予想受験者数から見て必要な採点者の数や、公平性担保の仕掛けが必要なことは見えていたはずなのに、なぜ今になってドタバタを演じるのだろうか。採点者が何千人何万人となれば、採点者の質の維持からしてかなりの困難である。それが、大学入試のための記述問題の採点なのだから、適切な採点要員調達は至難を極める…とは、本当に多くの人が言っていたが…。
難関大学受験者の答案をその大学を受けることを考えさえできないものが採点するという悪夢
まあ、難関大学受験者の答案が、そのような大学を受験することさえなかった大学生に採点されるような悪夢の事態は取り敢えず回避されたということで、良かった。