時々のこと

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「高知アニメクリエイターアワード」に非常にヤバい大人のやり口を見た


今回、高知から新しい才能を発掘・育成する事業として、高知県、高知市、南国市、洲崎市や高知の企業が講演する「高知アニメクリエイターアワード」が開催されるらしい。

賞金総額最大3,000万円というと大型イベントに見えるけれど…これ、かなり酷いイベントではないだろうか。

"賞金総額最大3,000万円"の"最大"ってどういうこと?できれば3,000万円は払いたくない、できるだけ少ない金額が良い…という思いが漏れ出てると思われてしまう表現なのだけれど。"賞金総額3,000万円"とはどうしても書きたくない意志を強く感じる。

大人の思惑が透けて見えてくる感じ。危険な匂いを感じるような作りのイベントに県や市が協賛というの、誰か気づいてという感じ。

告知ページ

高知から新しい才能を発掘・育成する事業、
「高知アニメクリエイターアワード」を実施します。
何かを表現したい
熱い気持ちがあるクリエイターを応援します。

https://www.anikuri.jp

 

「熱い気持ちがあるクリエイターを応援します。」とあるのだけれど、どう応援するのか具体的なことは書いていないのがどうなの?という感じ。

賞金総額最大3,000万円

これは非常に大規模なイベントになるな!3,000万円は大きな金額だ!

…となると思った?「賞金総額最大」であるので、極端な話、賞金総額の最低は0円もあるということ。

ご丁寧なことに、グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞があるように書かれているけれど、各賞の賞金はもちろんのこと、人数も書かれていない。つまり賞金総額最大3,000万円というのは、それ以上払うことは、どんなことがあっても絶対にないしかし下限は0円であっても嘘は言っていないと主張しているだけ。どうして優秀なクリエイターを探そうというイベントでこんな罠みたいなことするかな。求人広告でも今どきなさそうな酷さ。

せめてどういう条件で賞金総額が変わるのか分かるように示さないと。

審査結果の通知・公表

授賞式については、次のような記載がある。

授賞式は2024年4月に高知で開催予定の
高知アニメクリエイター祭にて
行われます。

しかしながら、審査結果の通知や公表については、いつどのようになされるのかの記載がない。確定日付である必要はないが、いつ頃、どのように通知されるのかは記載しないと、応募者に対し失礼であるという意識は主催側にはなさそう。

結局…

こういうのを見せられると、それでもよいから名を上げたいと考える応募者はともかく、第三者としては、ああ、高知県は優秀なアニメ人材を低く見ていて、見つけたら既存のアニメ制作のシステムの中に取り込んで使い倒そうとしているのかと思ってしまう。

賞金総額3,000万円としたりグランプリ賞金◯◯◯万円(桁数は適当にとするだけでも印象は違うのに、実際の賞金総額も各賞の賞金も分からないアワードって、危険すぎないか?

賞金総額3,000万円争奪!ってやれば

逆に盛り上がるかもしれないんだけどね。そうすれば確実に合計3,000万円はクリエイターの手に渡るのだから。賞金総額最大3,000万円でグランプリ賞金も書いてないなら、グランプリ1名賞金3万円、準グランプリ1名2万円、審査員特別賞1名1万円の実総額6万円でも嘘ではなくなるのね。こんなのダメでしょ。

アニメ業界は契約がしっかりしていない

…とか言われてるの、こういうところでまでちゃんと出してくる必要ないと思うのだけど。

企画する側はクリエイターに敬意を持って欲しい

与える側みたいな高みにいないか?少なくともそういう場所にいると思われるようなことは、大人なんだからしてはいけない。

締切延長している

2023年7月31日の記者発表会では、応募締切を2024年1月10日としていたが、2024年2月18日になっている。1ヶ月以上の延期これはどう理解すれば良いか難しいですね。単に応募作品が思っていたより集まっていないということなのか、クリエイターがこの手のものに応募することに慣れていなくて期限に間に合わないことが予想されるため、厳しめの締切を提示しておいてその後期日を伸ばせば、多くの応募予定のクリエイターが助かるというのも考えられる。

高知信用金庫

高知信用金庫が取り組む企画のようなのだが、この信用金庫は、総額3,000万円の借金を申し込んで、実際いくら必要かの資金計画を出さなくても貸してくれるのだろうか。金融機関が絡んでいるとは思えない、お金に対するアバウトさ。これ、やはりどう見ても主催者側がクリエイターより上位、しかもかなり自分たちが上だと思っていないとできない募集だと思うなぁ。外形的に見れば、金銭的に厳しいと言われるアニメクリエイターを馬鹿にしている企画としか思えない。酷い。

似たイベント

京都国際クリエイターズアワード2023」というのがある。2つのコンテストがあり、アニメとしてはCGアニメに限定している点が違う感じか。

ア:コミックコンテスト

イ:CGアニメコンテスト

このアワードは賞金総額最大ところか賞金総額さえ記載がない。ただ、以下のような記載があるだけ。

最優秀賞1作品

準優秀賞1作品

入賞3作品

とした上で、

最優秀賞:賞金5万円+授賞式への招待

準優秀賞:賞金3万円+授賞式への招待

入賞:賞金1万円

審査員特別賞:賞金1万円+授賞式への招待

としている。

これで良いのよ。金額が高知の総額最大3,000万円と比べるとあまりに少ない感じがするのだが、ちゃんと最優秀賞を獲れば賞金がいくらか書いてあるところが良い。授賞式を行うことも書いてあるのだから、いずれの賞も該当なしとすることはないと想像できるし。どうしてこうしないのかと言うことが「高知アニメクリエイターアワード」てどうしてこの辺りを記載しないかがポイントになる。契約は書かれていないことにこそ重要な内容が潜んでいると考えると、この辺りを書かなかったことが主催者側の思惑なのだろうと思うしかない。

いずれにせよ、締切が来て発表が来るものだからそれを見れば思惑は分かる。

デジャヴ

このアワードの告知を見て、SNSで流行った/今も流行っている見せ金の写真や動画を載せてフォローを誘うアカウントを思い出してしまった。大金見せられるとフラフラしてしまうよね。京都のアワードでは総額20万円を超えることはなさそうなのに、似た企画で3,000万円だからね。桁違いどころか桁が2つも違う。書かれていない条件は何があるのだろう。