時々のこと

子どものサッカーについて。小学校から遂に高校までたどり着きました。その他時々のこととか。

バイトテロはモラルとマナーがあっても起こすのか


2019年2月15日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、SNSでの“バイトテロ”動画について特集された。

激論!ナマで緊迫…長嶋一茂VSテレ朝玉川氏“バイトテロ”起こす人は「モラルもマナーもない」のか?(スポーツ報知)

これについて、バイトテロを起こす若者にはモラルもマナーもないと主張する長嶋氏に対し、玉川氏はモラルもマナーも無いと思えないと主張して激論になった。

どちらに分があるか

単純に考えれば長嶋氏の方に場があるように思える。しかし玉川氏は「僕らでもそんなに変わらないんじゃないかと思いますよ」「たまたまそういう環境にあったから、こういうことをしてしまったんじゃないかと思う」と言っている。バイトテロを起こす若者にモラルもマナーもないわけではないが、モラルとマナーというもの環境に応じてそのレベルを使い分けているはずだ。そしてそれは自分たちも同じではないかと言っている。ここまで聞くと長嶋氏の主張はストレートで分かりやすいが、玉川氏の方が考えが深い…ように見える。しかしこれは、単に話がすれ違っているだけの可能性が高い。

純烈友井氏のケースで考える

玉川氏の考えと長嶋氏の考えを純烈友井氏のケースで考えてみる。2018年大晦日の紅白初出場直後に男性歌謡グループ純烈を襲った友井雄亮氏の女性トラブルの件だ。友井氏は2016年に女性との暴力トラブルで誓約書を書き、2015年から2018年にかけて別な女性の3千万円ものお金を使い込むという裏の顔を持つ。一方、表の顔での純烈は、まさに2015年から破竹の勢いで芸能界の階段を駆け上っている。

玉川氏の考え

この時期は、友井氏も他のメンバーも、長い下積みを抜け、自分たちの未来が明るいものだと確信して前に進んだ時期であったはずだ。営業中やメンバー間で過ごす時も、友井氏はちゃんと場に合わせたモラルもマナーも持っていたであろう。しかしそんな時期であってもプライベートではモラルもマナーもなかったことが露わになる。友井氏のスキャンダルの特徴は、全て付き合っていた女性に対してである。付き合ってあげているのだから、どんなことでも自分の言うことを聞けという感覚なのだろう。客観的に見てかなり酷いことをしても良いと考えてしまうのであろうが、この感覚は、程度の違いこそあれ多くの人間が理解できるし、友井氏のような極端な例でなくても、そのようなマナーモラルの使い分けは身に覚えがあるだろう。これが環境に応じてモラルやマナーのレベルが変わるということだ。

長嶋氏の考え

しかし、自分の紅白出場が見え始めた頃、いやそれ以前のテレビに出演したりオリコンチャートでシングル1位を獲得した頃には、オフでも身辺を綺麗にしよう、モラルとマナーを持った人間になろうと意識するのが普通の感覚の人間であろる。しかし彼はそれができなかった。目標としてきた紅白が視野に入っているのにプライベートは酷いまま。そして、これを指して長嶋氏の言うバイトテロをする者にはモラルもマナーもないということである。

違う観点の話をしているから噛み合うわけがない

玉川氏はモラルやマナーのレベルの使い分けの観点から、バイトテロをする若者にモラルとマナーがない訳ではないと言っている。これに対し、長嶋氏は、使い分けをしようとしまいと1つの行為を見た場合にモラルとマナーについて普通の人がとらないような常軌を逸した行動をとる若者にはモラルとマナーは無いと言っているのである。玉川氏はモラルやマナー逸脱の程度については考慮せずに僕らでもそんなに変わらないと言い、長嶋氏は同じ人物が時と場所に応じてモラルとマナーのレベルを変えて生きていることを考慮せず、もしくは織り込んだ上で、目に余るようなバイトテロを起こす若者にはモラルもマナーもないと言っている。だから議論が噛み合うわけがないのである。