千葉県流山市の小学校で起き、保護者からイジメ被害と学校に訴えた事案。市教委は「重大事態」とせず、調査会が設置されたのは3年後だったという。3年って…調査しようにも、当事者も第三者も、多くを忘れてしまっているだろうに。何をどう調査するのか手法に注目したいわ。
記事
事実認定と3年後になった理由(市教委の言い分)
市教委は「当時、男子児童が30日以上欠席したことは事実だ」とした上で、調査会の設置が3年後になったことについて、「本来は重大事態とするべきだったが、中学へのスムーズな進学を重視した」と説明している。
いや、理由がおかしい。中学へのスムーズな進学を重視とはどういうこと?
誰のための3年間だったのか
「中学へのスムーズな進学を重視」とのことだが、被害者のためと書いていない点が恐ろしい。中学へのスムーズな進学と言うが、被害者はその事態の後、学校を30日以上休んでいることは市教委も認めていて、この記録は中学にも当然行く。出欠を取っているのだから隠しようがなく、スムーズも何もない。では、加害者側はどうか。調査会が設置されれば、何が起きたらしいとかそのような話が表に出てくる。だから、被害者に配慮したための3年間とは考えにくい。
では、加害者のためなのかというと一概にそうともいえない。
被害者・加害者以外の利害関係者
加害者側に私立中学進学者がいれば、調査会設置が進学に影響が出る可能性は否めない。しかしこれは加害者に限らず、そのような調査会が設置された小学校の他の6年生についても同様なのである。調査会の調査内容の詳細は表に出てこないであろうことから、加害者ではないのに、その小学校の6年生というだけで、中学受験に不利になると考える親がいてもおかしくない。とにかく親は子供に不利になることは1つでも避けたいと思うだろうから。
なぜ3年だったのか(客観的推測)
まあ、その中学も卒業して高校に進学しているタイミングだから…ということだろう。中高一貫校というケースもあるが、中学での3年間の素行を見れば、その生徒の性格は分かるだろうし。そんなところだろう。あとは、風化というか、被害者が私立中学進学か地元公立中進学かは分からないが、義務教育である中学卒業のタイミングなので、被害者側の被害感情も弱まっている可能性があるだろうから。
何が問題なのか
もしくは、単に放置したというだけかもしれたい。いずれにせよ、小学校での出来事を3年放置は様々なものを過去のものとしてしまうことは間違いない。しかし、いじめ対策調査会の設置が何のためにあるのかを考えると、これは大問題なのである。いじめ対策調査会は、今起きているいじめを解決すればそれで終わりという場ではない。実際に起きたいじめを調査することで、将来のいじめ対策のための場でもある。これを考えると、3年間の放置により失ったものは多い。