時々のこと

子どものサッカーについて。小学校から遂に高校までたどり着きました。その他時々のこととか。

成長期の到来が早い子は最終的には…みたいななぐさめの無意味さ


できるだけ最高の小学校時代を過ごさせてあげたいと思う親の気持ち…これを無茶なタテマエで踏みにじって欲しくない。

赤ちゃんから幼児、小学生、中学生と、大人になるまでに少しずつ成長して行くこども。少しずつとは言っても小学生をやれるのは6年間しかありません。こどもがサッカーをしたいのなら、サッカーで様々な経験を積ませてあげたいと願う気持ち。でも、辛いだけの経験はいらない。小学生なのだから身の程をわきまえるなどというのは、まだ覚えなくて良い。

小学生のサッカーは最長で6年間しかできない

「成長期の到来が早い子は、最終的には他の子が成長して追いつかれた時に、なすすべもなく抜かれる。だからかわいそう」

とかいう話は、ネットで小学校年代のサッカー指導者のブログ等を検索するとゾロゾロと出てきます。小学生の早いうちに成長期を迎えると、他の子に追いつかれるまでの期間は、他の子より体格も運動能力も優れることになるので、小学生時代にスタメンを取りやすいというのは、事実でしょう。また、そのような子が、他の子が成長期を迎えることで身体的優位性を失った際には、先に成長期を迎えたことが逆に不利な要素となる可能性があるというのも、その通りでしょう。それは分かります。
しかし、それで成長期が早くきた子がサッカーにおいて不幸かというとそれは分からないのですよね。
成長期を早く迎えた子は小学生や中学生の間、スタメンになる確率が上がっていることに変わりはないのですから。

成長期を早く迎えた子が、成長とともに成長の遅い子になすすべもなく抜かれるとかいうのは、早くても高校もしくは中学の終わりとかの話であって、そんな頃は、成長期の遅い子は、小中学時代に試合に出られないから、そもそもサッカーの試合に出て色々経験をするチャンスを得られないまま、サッカーをやめちゃってるかもしれない。じゃあ、小学校でスタメンで活躍した方が良いではないかと。
レベルは全く違う話ですけれど、川崎フロンターレの中村憲剛選手は、中1の夏に当時は小柄であったために思うようにプレイができず、一度サッカーをやめたと語っています。これだけ才能がある人も思春期到来のタイミングが遅かったという理由でサッカーから離れてしまっているのです。そのままやめていたら川崎の、日本代表の14番は生まれなかったわけです。中村選手は結局、身長175センチと、サッカー選手としては大きくはないですが、一般的日本人としては大きめに入る身長となっていますし、プロとして活躍されているのは周知の事実です。

小学生の試合は小学生時代しかできない

高校入学時は背が低かったが、その後伸びたため、3年でレギュラーになり、そのままスカウトされとかいう話もあります。それはそれで素晴らしいことですが、だから小学生時代は試合に出られなくても我慢しろということにはなりません。そういうのは何の話をしているのだろうかと思えます。

小学校時代、成長期の遅かった選手は、皆、Jリーガーになっているのであれば未来のために耐えられるのですが、そんなことはありません。小学校時代に体格的理由から試合に出られず、中学までにサッカーをやめた子なんてたくさんいるはずです。

そもそも体格に恵まれていても、学生時代ずっとサッカーを続けるとは限らないです。他のスポーツをするかもしれないし、そもそもスポーツ以外に興味があるかもしれません。
それに、小中高、人によっては大学も、ずっとスタメンでいるに越したことはないです。なんで後から追いつかれる側は不幸などと言えるのでしょう。この発言を言う人は、本人の意図とは逆に、早く成長期を迎えた方が小中学校は試合に出るのに有利だよと言っているだけなのです。

挫折の経験は短期間で十分

人生において挫折を早い段階で経験しておくことは、大切なことと言いますが、挫折は少し経験すれば良いです。何も小学校高学年時代ずっとサッカーの試合に出られない経験をしたからってその後の人生がバラ色になるとは思えませんし。小学校時代で挫折するにしても、1〜2ヶ月苦しめば、将来的な経験としては十分だと思います。それでも長い気がするくらい。
小柄な小学生に対して、大学生になったら追いついて活躍できるから、今は試合に出られなくとも腐らず頑張れとは言えない。逆に大学生までサッカー続けないとスタメンになれないのかと失望させることさえある気がする。12歳の人間に、18歳というそれまで生きてきた半分という長い期間を、まだまだ頑張れというのは諦めたらと言われているに等しい感覚になるのではと思います。同じチームメイトで成長の早い子は、今この小学生時代にスタメンとなって活躍しているというのに、お前の時代が来るまで、まだあと6年間待ちなさいと言われても、少なくとも合理的思考の持ち主であれば、その理不尽さに怒りさえ覚えるのではないだろうか。今体格が劣る子が、大学時代に優れた体格になる保証さえないし、今スタメンの子が必ず落ちぶれるわけでもないのだから。そして、一番大事なことは、小学時代のサッカーは、大学時代にはできないということ。時間は取り戻せません。

だから、そんな意味のない励ましをするより、やはり小学生時代にも試合に出られる方法を考え、実践した方が、子供にとって有益なのです。

ということで、試合に出るための少年サッカー

以上のことからも、小学サッカーでは、どうやれば試合に出られるかを親が考えることは、子供のサッカー生活にとってポジティブに考えて良いと思うのです。それだけで干渉しすぎという考えがあるのもわかります。これが自我が少し確立する中学生であれば、全くその通りかもしれません。しかし、小学生であれば、親が子供がサッカーの試合に出るために色々考えるのは、間違いではないでしょう。なぜなら、小学生は、どこに行くにも親の監視下が必要な年代なのだから、勉強においても、サッカーにおいても、ある程度の干渉は正当化されるし、あるべきものであると考えます。